外国語習得法講座 その1
ポリグロットとリングイスト
ポリグロット、リングイストって何ですか?
今日は習得法第一回目ということで、導入のような話をしたいと思います。
このHPのフロントページに出てくる
「polyglot(ポリグロット)」、「linguist(リングイスト)」
とは一体なんなのでしょうか?「リーダーズ」で調べてみましょう。
「polyglot」…(形)数か国語に通じた (名)数か国語に通じた人。
「linguist」……出てきません。「linguiste」で言語学者という意味があります。
じゃあ、linguistって何なの?勝手に作った言葉ですか? いいえ、違います。
ここで私の崇拝する多言語翻訳家のカトー・ロンブが書いた『わたしの外国語学習法』(筑摩書房)から彼女の言葉を引用したいと思います。
「職業的にことばに携わっている人々のことを、私たちは普通、言語学者とか言語研究家という風に呼びます。この人たちは、ことばに関する理論的問題に取り組んだり、ことばとその時代の文化との相関関係を研究したりしています。しかし残念ながら、単にことばを愛し、勤勉に学習し、いくつかの外国語を身につけていて、ちょうど他の人々が何か別のことに凝ったりするように、ことばに夢中になるような人間の営みを言い当てている用語はありません。英語では、わたしの知るかぎり、前者と後者のタイプを区別しています。後者は、《linguist》(数ヶ国語習得者、外国語通、言語屋)と呼ばれています。《philogist》(言語学者)と《linguist》の違いは、わたしの考えでは、たとえば、振り付け師とバレリーナの違いに相当するほどのものですから、他にテキトウな用語がない以上、この後者の方を借用して、純粋に実用的目的、あるいは自己の興味を満足させるために数ヶ国語身につけている人々のことを《外国語習得者(リングイスト)》と呼ぶことにします。その意味で、《polyglot》(多言語所有者)という用語は、わたし個人としては、用いたくありません。というのも、大多数のポリグロットは、わたしの見たところ、生まれとか、人生上の偶然のめぐり合わせのおかげで複数の言語が出来るようになったのであって、たとえば、外国語への関心を原動力にして学習を積み重ねた結果、数ヶ国語通じるようになった者とは、明確に区別されるべきだからです。」
私はこの文章を読み、自分はまさにリングイストだと自覚しました。
外国語を勉強する人には恐らく3種類あって、
一種類目の人は「ある達成したい目的があって、そのために外国語を勉強する人」
二種類目の人は「外国語を勉強するのが好きで勉強する人」
三種類目の人は「外国語をただ受身に習わされている人」
だと思います。
私は、今まで特に、特別にほかの目的があり、それを達成するために外国語を勉強したいと考えたことはありません。「外国語の勉強が楽しいからしてきた」のです。
だから私は、立派なリングイストだと思ってます。
この言葉は、外国語が出来る人を指す言葉ではありません。外国語が好きならそれだけでその人は、もう立派なリングイストなのです。
カトーロンブは、ポリグロットの言葉の定義に少々冷たいようですが、私はポリグロットという言葉もかっこいいから大好きです。「数か国語に通じた人」だなんて、メチャクチャかっこいいじゃないですか!
だからこのHPではポリグロット、リングイストを目指そうと謳っているのです。
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