3日後、リリネットはロ・ジャンと散歩をしながら、彼にシリムスから聞いたことを話していました。
「ほう、ライデル様とレルーラ様は学者様だったのですか。それは私も全然知りませんでしたよ」

「そうなのよね、パパとママは家にいる時は、私のことばっかり聞いてきて、自分たちのことを全然話してくれないのよ」
「リリネット様に心配をかけたくないのですよ」
「いつまでも子供扱いだわ。しかし困ったわね。私、最近までロシエリナ国がここまで機械の技術に遅れを取ってるとは知らなかったのよ。パパとママでさえ外国に赴いて飛行機に乗っているというのに、私がどうやってカサランドラにまでたどり着けるというのかしら?飛行機が欲しいわ」
「あっ!」
ロ・ジャンが、急に頭を上げて何かを指差します。
リリネットもとっさに空を見ました。珍しいことに隣国の飛行機が空を飛んでいたのです。 「珍しい!飛行機だわ。何年か前に同じようなものを見たことがあるわ。でも、何かがおかしいわ」
「リ、リネット様?この飛行機、何か異様に大きくないですか?」
「ロ・ジャン!この飛行機陸に近づきすぎよ!ぐらぐらしてるし、故障してるんじゃないかしら? 」
リリネットがそう言い終わるや否や、飛行機は近くの森に落ちていきました。
「ロ・ジャン、急いでシリムスを呼びに行ってちょうだい!乗ってる人が心配だわ!」

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