第一話

涼子にとって、その日はいつも通りの普通の日のはずだった。普通に学校に行って、授業を受け、そのままテキトウに町をブラブラして…。それからいつもの通り家に帰って、また明日になる。そうなるはずだった。しかし、現実に今彼女は、そのいつもの生活の枠から外れたところにいた。
「ツー、ツー、ツー」
規則的な生命維持装置の機械的な音。彼女は今酸素マスクをつけさせられて、病院のベットで横たわっていた。周りには涼子の父、母、そして弟がいて、3人とも涼子を必死な顔をして凝視していた。涼子の母親は、涼子の青白く力ない手を両手で握り締め、目に涙を浮かべ、
(あー神さまどうかこの子を助けて)
と願いながら、さらに涼子の手を強く握った。
どうして、涼子は今普段の普通の生活から離れて、こんなところにいるのか。

…そう、あれは今日のお昼過ぎ、午後2時あたりのことだった。

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