謎の赤い物体は、二人の予想に反して大変軽いものだったので、 二人は誰にも見つけられないように、それを手に持ち、急いでリリネットの部屋に戻りました。

移動中全然喋らなかったロ・ジャンは、部屋のドアを閉め次第、いきなり口を開きました。
「リリネット様、カサランドラとは一体何ですか?!」
リリネットは、この質問に答えていいものか一瞬悩みましたが、この先助っ人が必要になることも考えて、質問に答えることにしました。
「ロ・ジャン、いい?今からこの紙に絵を描いて説明するわよ?この下の部分が、私たちの国、ロシエリナがある大地ね?で、その大地の上に浮かんでいる、もしくは上空に存在する世界が…カサランドラよ」
そんな突拍子もない説明を受けて、ロ・ジャンはきょとんとしてしまいました。自分たちの住む大地の上空に、浮かんでいる世界??リリネット様は物語の読み過ぎではないかと思いました。
「ご冗談を、お嬢様。そんな話信じられるわけないでしょう。 最近物語の読み過ぎではありませんか」
リリネットはむっとして言いました。
「じゃあ、この赤い物体は何?今まで見たことあった?何でできているの?こんなに軽い素材の金属なんて私たちの国であったかしら?どこから落ちてきたの?ロ・ジャンは、これらの質問に全部答えられるの?」

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