シリムスは一人で倉庫に戻っていきました。他の3人が外で待って暫くすると、倉庫の方から何やら機械の重低音が聞こえてきました。怖がりのロ・ジャンはすぐさま慌てます。
「何の音ですか?」
しかし、リリネットとシエラは、横に並んで冷静に音のする方を見つめたまま動きません。シエラがリリネットに話しかけます。
「あなた、まさか私の飛行機を直すだけじゃなくて、何かいらないことしたんじゃないの?」
「勘がするどいのね。事後報告する予定だったけど、今日あなたも呼ばれてしまったのよね」
暫くして、道の脇に立っていた3人の前に、飛行機とも何とも言えない物体が近づいてきました。一部シエラの飛行機に似ていますが、ちょっと違います。…そうです。リリネットはシリムスに頼んで、シエラの飛行機を修理するだけでなく、無断でカサランドラに行けるように造り替えてしまったのです。

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