「お、お嬢様お待ちください！むやみに変なものに近づいてはいけません！」
「これ、何かしら？？？」
リリネットが変な物体に近づいてみると、今まで見たこともないような物体が庭の低木をなぎ倒して土地を凹ませていました。信じられませんが、ちょっと見た感じ、空から落ちてきたようです。そうじゃなきゃ、落ちた衝撃でこんなに土地を凹ませられるわけがありません。
落ちていた物体は赤くて、落ちた衝撃で元の形からちょっと変形しているみたいです。自転車…のようにも見えなくないですが、それにしても、こんな形の自転車見たことがありません。黙り込んでいたリリネットが急に大声をあげました。
「これはきっとカサランドラから落ちてきたのよ！」
「かさらんどら？…って何ですか？」
「空にある国よ！噂は本当だったんだわ！きっとこの自転車みたいなものは、カサランドラの人が誤って下に落としてしまったものなのよ！」
ロ・ジャンにはいまいち、リリネットが何のことについて言っているのか、理解できませんでした。